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認知症の親が「家に帰る」と言う理由と対応|夕暮れ症候群を介護福祉士が解説

認知症の親が「家に帰る」と言う理由と対応|夕暮れ症候群を介護福祉士が解説

こんにちは、なっちゃんです。

自宅にいるのに、親が「家に帰る」と言い出す。

夕方になると、そわそわして落ち着かない。

初めて経験すると、戸惑ってしまいますよね。

「ここが家だよ」と伝えても、なぜか分かってもらえない。

まず、知っておいてほしいことがあります。

これは認知症で、とてもよくあることなんです。

あなたの伝え方が悪いわけでも、対応を間違えたわけでもありません。

そして、対応の核心をひとつだけ、先にお伝えしますね。

それは、説得して分からせることではなく、安心を渡すことです。

「ここが正しい家だよ」と理解させようとしなくて大丈夫。

今日は、そのための具体的な方法をお話ししていきますね。

なぜ、「家に帰る」と言うのか

理由を知っておくと、受け止め方がぐっと変わります。

考えられる背景を、いくつかお伝えしますね。

ひとつは、記憶が過去に戻っていることです。

今住んでいる家ではなく、昔住んでいた実家や、若いころの家を思い浮かべていることがあります。

本人にとっては、そこが「帰るべき場所」なんですね。

もうひとつは、「ここは自分の居場所ではない」という不安の表れであることが多いです。

慣れているはずの自宅でも、時間や状況が分からなくなると、心細さが募ることがあります。

そして、夕方に強まる傾向があるとも言われています。

一日の疲れ、外が暗くなること、長年「そろそろ帰る時間」だった生活のリズム。

そうしたものが重なって、落ち着かなくなると考えられています。

これは「夕暮れ症候群」と呼ばれることもあります。

ただ、原因や現れ方には個人差が大きく、一概には言えない部分もあります。

やってはいけない対応、早見表

良かれと思ってやったことが、逆効果になることがあります。

避けたい対応と、代わりにできることを表にまとめました。

NG対応なぜ避けたいか代わりにできること
「ここが家でしょ」と説得する否定されると、不安が強まりやすいまず「そうだね」と受け止める
力ずくで止める恐怖や抵抗につながりやすい一緒に少し歩く、気をそらす
嘘で丸め込もうとする見透かされると、信頼を失うことがある感情に寄り添う言葉を返す
責める・叱る内容は忘れても「怖い」という感情は残る落ち着いてから、話題を変える

共通しているのは、「正論で分からせようとしない」という点です。

事実を正すことより、気持ちを受け止めることのほうが、ずっと効果的なんです。

家庭でできる対応の手順

とっさの場面で、どう動けばいいか。

順番にまとめておきますね。

  1. 否定せず、まず受け止める
    「ここは家じゃないよ」ではなく、「帰りたいんだね」と、まず気持ちを認めます。
  2. 理由を聞いてみる
    「どうして帰りたいの?」と聞くと、本人の不安が見えてくることがあります。
    「子どもが待っている」「用事がある」など、理由が出てくることもあります。
  3. 気持ちをそらす
    「じゃあ、お茶を飲んでから」「一緒に少し歩こうか」と、別の行動に誘います。
    写真や音楽など、本人が好きなものを使うのも効果的です。
  4. 安心できる環境をつくる
    夕方は部屋を明るくし、慣れ親しんだ物を目につく場所に置いておきます。
    「ここにいて大丈夫」と感じられる環境が、気持ちを落ち着けます。
  5. 出て行ってしまう場合への備え
    玄関の工夫や見守り登録、近隣への事前共有も忘れずに。
    この備えについては、別の記事でくわしくまとめています。

夕暮れ症候群を和らげる工夫

夕方だけの対応に加えて、一日を通した工夫も助けになります。

日中、しっかり体を動かしておくと、夕方の落ち着きにつながることがあります。

散歩やデイサービスでの活動が、良い一日のリズムを作ってくれます。

朝、日光を浴びる習慣も、体内時計を整える助けになります。

そして夕方になったら、日が沈む前に部屋の照明をつけておくのもおすすめです。

急に暗くなる感覚が、不安を強めることがあるためです。

すべてを完璧にやる必要はありません。

できることを、ひとつずつ試してみてくださいね。

一人で抱えないために

夕方の対応が毎日続くと、家族の心も体もすり減っていきます。

このパートは、繰り返し伝えたいことです。

一人で背負わなくて大丈夫です。

ケアマネジャーや地域包括支援センターに、状況を伝えてみてください。

デイサービスやショートステイを使って、夕方の時間だけ家族が休む。

そんな組み立て方も、十分にありです。

「甘えているのでは」と思わなくていいんです。

あなたが穏やかでいられることも、親にとって大切な安心材料になります。

よくある質問

Q. 毎晩、同じことが続きます。慣れることはできますか?

A. 続くと本当につらいですよね。慣れるというより、「対応の型」を持っておくと、心の負担は減らせます。今日お伝えした手順を、まず試してみてください。

Q. 施設に入居した後も、「家に帰る」と言うことはありますか?

A. はい、環境が変わっても続くことがあります。施設のスタッフも同じような対応に慣れていることが多いので、様子を共有しながら一緒に対応していけますよ。

Q. 気をそらす前に、本当に外に出てしまったらどうすればいいですか?

A. すぐに探し始めると同時に、必要であれば迷わず警察に連絡してください。日ごろから見守り登録や、近隣への声かけをしておくと、発見までの時間を短くできます。

まとめ

「家に帰る」への対応で、大事にしてほしいことです。

  • 分からせようとせず、まず「そうだね」と受け止める
  • 理由を聞き、気持ちをそらす工夫をする
  • 夕方の環境を整え、日中の過ごし方も見直す
  • 一人で抱えず、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談する

分からせようとせず、安心を渡す。

そして、一人で背負わないこと。

ここまで読んでくれたあなたは、親のことを本気で考えている、やさしい娘さん、息子さんですね。

繰り返される言葉に、心がすり減る日もあると思います。

どうか、あなた自身の安心も、大切にしてくださいね。